脳病院をめぐる人びと [ 近藤祐 ]

帝都・東京の精神病理を探索する

目次は次のとおりです。

第1部
(初期癲狂院/正系としての帝国大学医科大学・呉秀三・府立巣鴨病院/脳病院の登場/郊外へ)

第2部
(芥川龍之介の小さな世界/辻潤または飛翔するニヒリスト/家族はどうしたのかー高村光太郎と長沼智恵子/ここは、かの、どんぞこのー太宰治の分岐点/中原中也 暴走する精密装置)

芥川龍之介が神経衰弱の末に自殺した昭和二年以降
、文学史にさまざまな狂気が連鎖する。
辻潤は天狗となって二階窓からの飛翔を試み、
太宰治はパビナール中毒で強制入院させられる。
愛児を失った中原中也は忘我状態となり、
高村智恵子は精神分裂病で生涯を終えた。
わずか十年余りに連鎖するこれらの狂気には、
何か共通因子があるのか?

また彼らはどのような治療を施されたのか?

明治・大正・昭和と帝都東京における
脳病院の成立と変転を辿り、
都市と人間、社会と個人の軋轢の精神史を探索する書です。

読んでいるうちに、ちょっと気持ちが重くなってしまう書です。

<印象に残った一文>
「自分がいかに何も知らないかを痛感した。」

私のサイトです。
よろしければご覧下さい。

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このページは、村田優一郎が2013年12月 9日 19:36に書いたブログ記事です。

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