歌に私は泣くだらう [ 永田和宏 ]
妻・河野裕子闘病の十年
【楽天ブックスならいつでも送料無料】歌に私は泣くだらう [ 永田和宏 ] 価格:496円(税込、送料込) |
目次は次のとおりです。
私はここよ吊り橋ぢやない
ああ寒いわたしの左側に居てほしい
茶を飲ませ別れ来しことわれを救える
助手席にいるのはいつも君だった
夫ならば庇つて欲しかつた医学書閉ぢて
私は妻だつたのよ触れられもせず
あの時の壊れたわたしを抱きしめて
東京に娘が生きてゐることの
いよいよ来ましたかと
一日が過ぎれば一日減つてゆく
歌は遺り歌に私は泣くだらう
つひにはあなたひとりを数ふ
その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった。
歌人永田和宏の妻であり、
戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、
突然、乳がんの宣告を受けた。
闘病生活を家族で支え合い、
恢復に向いつつも、
妻は過剰な服薬のため精神的に不安定になってゆく。
凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。
そして、がんの再発…。
発病から最期の日まで、
限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。
第29回講談社エッセイ賞受賞作品です。
読んでいるうちに亡き妻のことを思い出しました。
実体験者にしかわからない著者の気持ち、痛いほどわかります。
なんとも切ない書です。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 歌に私は泣くだらう [ 永田和宏 ]
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://mtadmin.rsw.co.jp/mt-tb.cgi/10212
コメントする