社長が労災事故を起こした場合


今日はクライアントから頂いたご質問をシェアさせて頂きます。


Q:クライアントの社長が出張先で怪我をされ
病院から労災の用紙を持ってきてくれと言われましたが
どうすればよいのでしょうか?


A:残念ながら社長は労災保険には加入できません。

労災保険は正式名称を「労働者災害補償保険法」といいます。
従って、法律上、社長は“労働者“とみなされないために
原則労災保険には加入できないのです。

但し、一定条件を満たした場合には「労災保険の特別加入」に任意加入する
という方法で労災保険に加入することはできます。

この方法をとれば、社長自身の業務上の傷病についても
労災認定された場合には、労災保険で補償されます。


ここで「労災保険」と「健康保険」、「国民健康保険」の
保険給付の対象範囲について触れてみますと   

・ 労災保険・・・業務災害および通勤災害による傷病等が給付対象
・ 健康保険・・・業務外の傷病等が給付対象
・ 国民健康保険・・・業務上・業務外の区別なく給付対象(労災保険の適用のある場合等を除)

となります。

そうすると、労働者ではない社長が怪我をしても
労災保険からも健康保険からも
給付を受けられないことになります。(驚)

これがいわゆる「制度の谷間」と言われているものです。

これでは社長がかわいいそうということで

平成15年7月1日付の保発第0701002号厚生労働省保険局長通知によって

被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、
一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事して方については、
業務上の傷病であっても健康保険の保険給付が受けられるようになりました。(喜)

但し、残念ながら被保険者数5人以上の場合には
依然として「制度の谷間」問題がありますので
現在のところ「労災保険の特別加入」をするしか方法が無く、
それ以外の場合には全額自己負担となります。

(今日の一言)
社長の労災事故については「制度の谷間」があるのでご注意ください!


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このページは、村田優一郎が2009年2月25日 03:53に書いたブログ記事です。

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