錨を上げよ(下)
感動の最終章
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作田又三、二十四歳、
すべてをなげうち、大阪を飛び出した。
何の目的もあてもない。
「どこかへ行きたかっただけだ。行く先などどこでもよかったのだ」
昭和50年代の東京を漂流した又三は、
ついに北海道根室に立つ。
緊迫する北方領土の海に跋扈する特攻船。
又三の航海に暴風が吹き荒れる。
はたして錨を下ろす「終着の港」にたどりつけるのか?
16世紀の悪漢小説を現代の日本を舞台に甦らせた、
途方もないエネルギーに満ちた物語です。
なんだか知らないうちに引きこまれていく書です。
著者の丁寧な心理描写が、その秘密かな~と感じます。
<印象に残った一文>
「人生は生きるに値するものだという強い思いに胸を貫かれた。」
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