すらすら読める方丈記 [ 中野孝次
鴨長明の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせる
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目次は次のとおりです。
ゆく河の流れは絶えずして
ーゆく河と人生と住居と
玉敷の都のうちに、棟を並べ
ー人間の生の姿
知らず、生れ死ぬる人
ー人間存在の根源への問い
予、ものの心を知れりしより
ー打ちつづいた天変地異と事件
去安元三年四月廿八日かとよ
ー安元の大火
火元は、樋口冨の小路とかや
ー猛火が京の都をおそう
人のいとなみ、皆愚なる中に
ー人間の営為の愚かさ
また、治承四年卯月のころ
ー治承の辻風
三四町を吹きまくる間に篭れる家ども
ー実地体験の正直な記録
辻風はつねに吹くものなれど
ー凶事の前ぶれか
総ルビつきの原文、
中野孝次氏のわかりやすく、
かつ洞察に満ちた現代語訳、
そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、
平家と源氏が争った時代を生きた
鴨長明の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせます。
大地震、
大火、
大飢饉、
辻風、
さらに遷都を体験し、
ついには方丈の住居暮らしに
本当の安心を得て生き方が心に沁みる書です。
とても読みやすい本です。
<印象に残った一文>
「人を気にするな、自分のために生きよ。」
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