東大で文学を学ぶ [ 辻原登 ]

ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ

目次は次のとおりです。

第1講義 小説家が小説を解剖する
(近代小説のはじまり/フォースターによる歴史と小説 ほか)

第2講義 ドストエフスキー『罪と罰』を読むー人殺しの残酷な物語はなぜ読み継がれてきたのか
(横光利一と小林秀雄の「偶然と必然の問題」から、ドストエフスキーを考える/すぐれた作家は場面に集中する ほか)

第3講義 「もはや誰の息子でもない」-犯罪小説、探偵小説、家族小説を読む
(「三菱銀行猟銃強盗・人質事件」/二十世紀の三大発明の一つ、精神分析 ほか)

第4講義 『古事記』と神話批判としての『源氏物語』
(『古事記』の構成について/「倭建命」の物語、貴種流離譚 ほか)

第5講義 谷崎潤一郎ー渡りをへたる夢のうきはし
(谷崎潤一郎『鍵』をこっそり読んだ/谷崎潤一郎と映画 ほか)

いま最も脂がのっている小説家が、
東大生150人を前に、
14回にわたって、挑発的、刺激的、縦横無尽に、
世界文学、日本文学を語りつくした名講義です。
小説の起源を古代中国の歴史と志怪・伝奇にまでさかのぼって見極め、翻って、
横光利一「純粋小説論」、小林秀雄「私小説論」、柳田國男「山の人生」から
ドストエフスーの小説の重要な場面に必ず差し込む斜めの光を発見します。
斜光はいったいどこから来るのか、
そして何を照らし出すのか?
われわれは斜光に導かれて、
フロイトの「家族小説」へ、そして『源氏物語』へ、
さらに谷崎潤一郎へとたどり着く。
学生には全講義の要約がレポートとして課せられた。
そのレポート16本を収録する書です。

ちょっと固い本ですが、文学好きの方には読み応えがあると思います。

<印象に残った一文>
「作家においてまずあるのは、今ら来たらざる作品の要約なのだ。」

私のサイトです。
よろしければご覧下さい。

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このページは、村田優一郎が2014年11月12日 12:23に書いたブログ記事です。

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