「東洋」哲学の根本問題 あるいは井筒俊彦 (講談社選書メチエ) [ 斎藤 慶典 ]
あるいは井筒俊彦
目次は次の通りです。
序章 井筒「東洋」哲学
第1章 表層/深層
(表層から深層へ/深層から表層へ/大地と理性ーロシア的人間)
第2章 空/無
(「空」の徹底/空と無/砂漠と死ージャック・デリダ)
第3章 “いま・ここで=現に”
(「本質(マーヒーヤ)」と「存在(フウィーヤ)」/“いま・ここで=現に”/「入〓垂手(にってんすいしゅ)」)
東洋哲学とは何か。
インド・中国・日本の思想を指しているのか。
井筒俊彦は個別研究の枠を超え、中近東やロシア、東南アジアにも視野を広げた全東洋的思想の根底にある哲学をつかみ、拓いていく。
「ある」という事態の最深層に仏教哲学の「アラヤ識」を見届け、「空」と「無」を巡ってイスラーム哲学から現代思想までもが渉猟される。
言語哲学者、イスラーム哲学研究の権威・井筒が生涯をかけた「世界的な視野を具えた新たな哲学」はどの地点に到達したのか。
その哲学的営為の総体を受け止め、更に先にある問題を見極める書です。
目からウロコの情報が満載です。
<印象に残った一文>
「あるとはいつも何かであることなのだ。」
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