近江商人の哲学  「たねや」に学ぶ商いの基本 (講談社現代新書) [ 山本 昌仁 ]

「たねや」に学ぶ商いの基本


目次は次の通りです。

第1章たねやはなぜウケたのか
第2章 なぜ世代交代は成功したか
第3章 ラコリーナの思想

第4章 「三方よし」をどう生きるか
第5章 たねや流「働き方改革」
第6章 変わるもの、変わらないもの

和菓子業界が縮小する中で、なぜたねやグループは右肩上がりの商売繁盛を続けるのか。
成功の裏には、「三方よし」「先義後利」に象徴される近江商人の商売道を現代に昇華させた著者・山本昌仁(たねやグループCEO)の哲学がある。
たねやのフラッグシップ店にして本社機能もある「ラコリーナ近江八幡」は、
ショッピングモールのように快適に整備されているわけでもなく、派手なアトラクションもない。
甲子園球場三つ分の敷地には、田んぼがあり、あえて地元の雑草を植えるなど自然の空き地のまま。
50年後、100年後に近江八幡を人が集まる場所にして、地元に恩返しするために、目先の利益を追わなかった。
融資を受ける際、「なんで菓子屋が田んぼをやる必要があるんや」と反対されても、押し切った。
結果、「ラコリーナ」は今、年間300万人近くが訪れる。
最中や饅頭が飛ぶように売れ、焼きたて、切りたてのバームクーヘン売り場には長蛇の列ができている。
自分たちの利益より、まずはお客様が喜ぶことを考える。
お客様以外の人々の利益も考える。
生まれ育った地域に還元する。本社は地元から動かさない。
実は著者は会社の売上にはほとんど興味がない。「数字はあとからついてくる」
本人は意識していないのに、たねやが「現代の近江商人」と呼ばれる所以である。
近江商人がふたたび今注目されているのは、「企業の社会的責任」との関連だろう。
社会や地域に貢献する、環境を保護する、持続可能な発展のあり方を考える……。
たねやの製造販売の考え方は、今後の商売、特に地方での商売繁盛のためのヒントがいっぱいです。
たねやはなぜウケたのか
なぜ世代交代は成功したか
ラコリーナの思想
「三方よし」をどう生きるか
たねや流「働き方改革」
変わるもの、変わらないもの
いろいろなヒントが詰まっています。

<印象に残った一文>
「目先の利益を追うのではなく、まずは相手が喜ぶことを考える。細く長くであっても、組織が永続することを優先する。ビジネス相手だけではなく、それ以外の人々の利益も考える。」

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このページは、村田優一郎が2018年10月 6日 06:17に書いたブログ記事です。

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