歴史・地理: 2019年12月アーカイブ

大正人からのメッセージ


目次は次の通りです。

プロローグ 一〇〇年前の日本人は
第1章 働く人たちへ
(働き方改革を進めよ/長時間労働を抑制せよ ほか)

第2章 指導者たちへ
(人の上に立つ者は品性を高めよ/政治家は腐敗堕落から脱却せよ ほか)

第3章 すべての日本人へ
(女性の権利を尊重すべし/報道の真偽を見極めよ ほか)

第4章 若者たちへ
(大きな志をもつべし/覚悟をもって就職活動をせよ ほか)

エピローグ 一〇〇年後の日本は

長時間労働、政治家の資質低下、教師による体罰、女性差別、フェイクニュースの氾濫、なりすまし詐欺、若者の活字離れ......。
 いずれも、昨今注目されているテーマです。
現在の日本社会が抱える問題として、その解決が求められていることは言うまでもありません。
ただ、これらは決して「現在」という枠に収まるテーマではないことも事実です。
実際、このテーマは、100年前の日本でも議論されており、その解決の必要性が叫ばれていたのです。
現在の日本を歴史的視点から捉え直すことを目的として書かれた書です。
その際に視座を置いたのが100年前、すなわち大正時代です。
 日本の近代について、明治から大正、昭和へと至る時代の移り変わりを、大雑把に「混乱期」から「発展期」、そして「安定期」への移行と捉えると、終戦から今日までの流れも同じように映ります。
漠然とした見方ではあるが、ここで言う安定期が今日の日本、そして約100年前の日本に相当します。
「安定期」という同じ歴史的局面にあたる二つの時代を対比させながら、現在の日本が抱えるさまざまな課題について考えていく書です。
その手掛かりとして用いたのが、100年前の論者が遺した言葉です。
彼らの言葉は100年後を生きる我々を意識して述べられたものではありませんが、それらを現代人に向けたメッセージとして読み取っていきます。
そして、その言葉が発せられた当時の時代背景を現在に重ね合わせながら、各テーマについて考察していく。
さらに、この100年で何が変わり、何が変わっていないのか。
その変化はなぜ起きたのか、あるいはなぜ変化しなかったのか。
そうした時代の推移にも着目することで、先人らの言葉をより価値あるものとして蘇生させていく書です。本書を読むことで、現代日本をより立体的に捉えるための重要な視点を得ることができます。
いろいろな気付きを与えてくれます。

<印象に残った一文>
「この100年の間に制度改革が行われてきたにもかかわらず、その制度下で活動する人々が昔と同じようなことをしている。」

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模倣と革新のインド製薬産業史


目次は次の通りです。

序?章 インドの経済開発戦略の変遷と製薬産業の発展
 1 本書の課題
 2 独立後のインドの経済開発戦略
 3 輸入代替成功の要因
 4 企業の能力
 5 「模倣と革新の融合」とグローバル・バリューチェーンへの参加
 6 インドの課題
 7 本書の構成

第1章 インド製薬産業の概観──貿易・産業構造・空間構造
 1 医薬品とは
 2 貿易・産業構造の概観
 3 空間的構造

第2章 製薬産業の発展──長期的発展の要因
 1 萌芽期──独立以前~1970年まで
 2 模倣の時代──1970年代~1980年代
 3 輸入代替から輸出志向へ転換──1980年代
 4 革新への挑戦──1990年代
 5 グローバル化──2000年代
 6 集積地の形成──その背景と要因
 7 製薬産業の発展

第3章 医薬品価格規制──産業発展の視点から
 1 医薬品価格規制の導入──1970年医薬品価格規制令
 2 価格規制の強化──1979年医薬品価格規制令
 3 経済自由化と医薬品価格規制の緩和
 4 医薬品規制緩和への反発と規制強化への転換──2002年医薬品政策公益訴訟と2012年医薬品価格政策
 5 モディ政権発足後の動向
 6 産業発展のインセンティブとして機能した医薬品価格規制

第4章 模倣と革新の融合──インドのイノヴェーション
 1 TRIPS協定がインド製薬産業に与えたインパクト
 2 インドのイノヴェーション──模倣と革新の融合
 3 TRIPS協定とアウトソーシングビジネスの拡大──GVCへの参加
 4 模倣と革新の融合とGVC

第5章 インド製薬企業の発展──企業の能力の形成
 1 Ranbaxy Laboratories(ランバクシー・ラボラトリーズ)
 2 Dr. Reddy?s Laboratories(ドクター・レッディーズ・ラボラトリーズ)
 3 企業の能力とは

第6章 インドと米国──米国市場におけるインドの躍進と課題
 1 印米貿易の推移
 2 米国市場におけるインド企業の躍進
 3 インド企業の製造管理・品質管理体制の揺らぎ
 4 知的所有権制度をめぐる問題
 5 今後の展望

第7章 インドと日本──投資の拡大と課題
 1 日印の医薬品貿易の推移
 2 日本市場における動向
 3 日本企業のインド進出
 4 今後の展望

第8章 医薬品アクセスと産業発展──知的所有権制度と外資規制
 1 インドの特許・知的所有権制度に関する課題
 2 外資規制の強化
 3 医薬品アクセスと産業発展の両立

終?章 インド製薬産業の発展と今後の課題

本書はインド独立以降、高い国際競争力を持つに至った製薬産業の発展の要因を史的に捉える試み。
製薬、医薬品に関わる専門的な洞察を基に、アメリカや日本の製薬市場をも俯瞰する中でインド製薬産業の躍進の過程を明示します。
目から鱗の情報が満載です。

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古代エジプトと中華帝国の興廃


目次は次の通りです。

序章 人類はいにかして文明を持ったか
ー通史としての世界史を書く方法論
(民族、宗教、イデオロギーを超越した新たな視点/時代分類は「利器の材質」から「情報蓄積ツール」へ)

第1章 古代エジプト文明の崩壊
ー科学技術情報を隠蔽したファラオの言霊信仰
(なぜ巨大ピラミッドが建造されたのか/ヒエログリフと文字の起源)

第2章 中国文明の力量と停滞
ー六百年も停滞し続ける「中華思想」国家の臨界
(儒教文明の呪縛と毛沢東の文化大革命/朱子学国家が東アジアに与えた悪影響/歴史を改鼠する中国共産党の偏向教育)

『逆説の日本史』著者の新たなライフワーク
『逆説の世界史』は、シリーズ累計489万部突破のベスト&ロングセラー『逆説の日本史』の著者・井沢元彦氏が挑む「新たなライフワーク」。
現在、小学館のウェブサイト「BOOK PEOPLE」で大反響連載中です。
構想に15年以上を費やした本企画は、民族、宗教、イデオロギーによる偏見や差別を極力排し、いわば「地球外生命体(ET)の視点」で人類の歴史を読み解く逆説史観による文明論。
目から鱗の情報が満載です。

<印象に残った一文>
「歴史は繋がり(連続性)である」

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国盗りも天下統一もカネ次第


なぜ信長だけが天下統一を目指せたのか?
領地より港を優先して実利を得る、官職を蹴って金融改革に乗り出すなど、お金の面から信長の生涯を眺め、これまでとは違った戦国時代像を提示。現代にも通じる天下人の錬金術に迫る書です。
いろいろなヒントが詰まっています。

<印象に残った一文>
「信長は中央政権において、日本史上初めて通貨として金銀の使用を促し、金銀と銅線の価値を制定して、体系化した通貨制度を作った。」

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